大正野球娘。 第10話『私は何をする人ぞ』

 今や深夜アニメの定番「サービス回」・・・と見せかけて実は鏡子の巴攻略大作戦!・・・と思わせて実はこの作品において重要な最後の「詰め」を見せてくれたエピソードでございました。つまりこの回があるとないとでは彼女たちの野球の実力に対する説得力が全く違うだろうと思う訳です。
 朝香中との対戦の前に真剣に野球に取り組む姿勢を描いておけば、その試合で素晴らしいプレーを見せたとしても(そして多分ソレはあるでしょう)私は「えー、いくらなんでもそんなプレーできるの?少し前まで野球のやの字も知らなかった女の子が?」とは考えずに納得できるだろうと思います。こういう伏線は大事ですが、これをストレートに描かずに二重三重のオブラートに包むスタッフに感心。
 「包んだ」オブラートも出来がよく、鏡子の一つ一つの失敗のエピソードが実に微笑ましい。・・・上手いなぁ。そうしたものを「フライが取れない鏡子」に遠まわしで結びつける脚本も気持ちが良かった。「何かをするのに遅すぎることはアリマセン」と諭すところも納得の結論でございました。
 まあでもアンナ先生、晶子が努力するのは言いだしっぺですから当然かと(笑) さて、ここでも以前ランニングについていけなかった晶子と乃枝が、ちゃんと皆と一緒に走って「成長の跡」を視聴者に絵で見せておりました。うん、1カットも無駄にはしませんね。
 いよいよ来週は朝香中との対戦が始まるようです。後二話で終わってしまうのか。そう思いますと複雑な気分ですが、彼女たちの努力の結果を見ない訳にもまいりません!・・・楽しみでございます。
 それにしましても、深夜テレビの前でニヤニヤしながらこの番組を観ている自分に気がつき「キモッ!」と思うのですが(笑) こんなに楽しい気持ちでアニメを観るのは本当に久しぶりでございます。