大正野球娘。 第7話『麻布八景娘戯』

 小学生相手の練習試合ばかり、それも「ホームラン禁止」ばかりでストレスの溜まった巴は小梅を巻き込んで「辻打ち」をしていた。挙動不審の二人を見ていた晶子は、男子相手に魔球開発を兼ねて小梅を巻き込んで「辻投げ」を敢行。やがて噂を聞きつけた他の桜花会のメンバーも夜間自主トレを始めようとしていた、というお話。
小梅、モテモテだなぁ(笑)
 今回はお遊びに徹した回でした。まあ元々リアルではないと言ってしまえばそれまでなのですが、設定で嘘をついていても細部では嘘をつかないという前提は崩れていた訳でありません。「えっ、辻打ちが?」と思った方もおいででしょうが、あれも設定上の嘘ですから問題はございません。
 細部の嘘とは「晶子が投げる魔球がありえない変化をした場合」で、本作で晶子が泥棒に投げた球は実在する魔球ナックルでしたから全く問題はありません。と申しますより晶子のようなスピードが出ない投手が相手を打ち取るのならこの球しかありえないと思っていましたので、この選択は実に嬉しかった(笑)
 それでいながら簡単に習得出来ていない辺りは「リアル」でございまして、このバランスの良さがたまりません。そうそう、しつこいぐらい晶子の体力のなさが強調されていたことも見逃せません。体力や技術は一朝一夕には身に付かないという前提を頑なに守っている制作者の姿勢があれば、この作品が何処へ向かっていようと、どんな着地点を用意していようと付いていけるというものです。
 アンナ先生の男子相手に勝利を収めるには「魔球」が必要との台詞がございましたが、この時代を考えれば「曲球(くせだま)」くらいが適切だったように思いましたが、アンナ先生の豪快な丸投げっぷりが楽しいからどーでもいいか(笑)