うみものがたり〜あなたがいてくれたコト〜♯008『求め合う心』

 ほぼ毎回「鬱だ、鬱だ」と感想を書いておりますが、だからと申しましてこの作品が嫌いだとか、ましてや駄作だなどと決め付けている訳ではございません。むしろ私の中では良作なのですが、それと観た後の印象が一致しないのも世の常かと(笑)
 マリンたちは海底神殿にいるウリンを助ける事が出来ずにいた。感情をぶつけるマリンを見て松本は夏音を一時地上へ戻るように促す。地上へ戻った夏音は恋敵の大島に呼び出された、というお話でした。
 素直になることは難しい。自分の気持ちを素直に言葉に出すことが出来たとしても、相手がそれを素直に受け止めてくれなければその努力は報われないし、届かない。ほんの僅かな綻びから人の心は離れて行く。そして一度壊れてしまった関係を修復するには何が必要なのでしょう?
 といった事を佐藤順一監督はこちらが鬱々たる気持ちになることを気にする事もなく描いている訳でございますね(笑) ドS?
 今回はマリンとウリンの関係と夏音と大島の関係が相対的に描かれていたところが面白かったです。ただの一度も喧嘩をしたことがないマリンとウリン。一方で喧嘩しながらもお互いの気持ちを伝え合う夏音と大島。争うことが悪いのではなく、お互いの気持ちを伝え合う努力をしないことが不幸なのだと語っているようでした。
 そして諸悪の根源はやはり夏音ということで(大笑) ですが、邪な心は誰の心にも潜んでおりますし、その時立ち向かう勇気があれば「セドナ」という弱い自分の心に打ち勝つことができるのかと。
 相変わらず作画は良好、コミカルな描写が(私にとって)僅かばかりの救いとなっております。これがなかったら、本当におじさんは耐え切れなかったと思いますよ(笑) はやく満面の笑みで「みんな、愛してる!」と言うマリンを見たいものでございます。