シャングリ・ラ 第二十話『連之調音』

 ダイダロス掃討後の関東平野に現れたのは印を結んだ巨大な結界だった。その頃炭素経済市場は大混乱し、原因たるメデューサを討伐するため爆撃機秋葉原へ進攻していた。「刀」を二本揃えた香凛はそれを美邦へ献上し、三本の守り刀を手に美邦はアトラスへ帰還しようとした。その時爆撃機から投下された爆弾が炸裂し、美邦たちは閃光に包まれたが水蛭子に憑依されたミーコがその身を犠牲にして彼女を守るのだった、というお話でした。
 今回はアトラスの成り立ちや、その陰でどのようなことが行われていたのかが明らかになったのですが、う〜ん何と書いて良いのやら。物語の「根っこ」にオカルトが存在していたことは薄々気がついてはおりましたから、この展開自体は意外ではありませんでした。
 ただオカルトや科学、経済といったこの作品を構成している各要素があまり上手く絡み合っておりませんでしたので「退屈」だったのかもしれません。そういった要素を束ねる人間の力という描写も今ひとつ心に突き刺さるところまではいっていないような。
 本来美邦を守って消えていったミーコ(水蛭子)の場面で、美邦の悲しさや寂しさといったものでこちらの琴線に触れまくらないといけないと思うのですが、拍子抜けするほど普通に観れてしまいました。これはキャラの描写不足と書く以外ないように思えます。
 設定を生かすための説明も足りない(炭素経済のお話が今に至るも「?」だったりします)ようですし、キャラの描き込みも足りないように見えてしまう。それでいて「動き」に目を見張るほどのものがあるのかというと・・・微妙。・・・否定的な感想ですねぇ(笑)
 もちろん私のリテラシー不足は否定いたしません(というか、そちらの可能性の方が高いと思います)が、いくつかの要素を削って物語の簡素化を図り、國子と香凛と美邦の生き様にピントを合わせた方が作品としてはすっきりしていたような気がいたしました。・・・20話で書く事じゃありませんね。
 一週毎に感想が迷走しているのはこの作品の仕様です(笑) 順番からいたしますと来週はとても楽しい感想が書ける番だと思います。