大正野球娘。 第4話『これから』

 朝香中学との練習試合に完敗した東邦星華桜花会。その日から晶子と鏡子は練習に出てこなくなり、さらに紀子は新聞部との掛け持ちはできないと退部を申し出てくる。ぐずついた空模様と同様に桜花会にも暗雲が広がっていた、というお話でございました。
 この作品が楽しい理由がなんとなく(あくまでもなんとなく、なのですが)分かったような気がいたします。最近では珍しく登場人物たちの真っ直ぐな心をシンプル&ストレートに描いているからなのではないでしょうか。
 晶子は大敗したことを恥て落ち込んだのではなく、自分の悔しさを晴らすための戦いに皆を巻き込んで、その結果皆に屈辱を与えてしまったことに対して落ち込んでいたのですが、この綺麗事過ぎる心根が素晴らしい訳です。他者を思いやる、自分の責任を重く受け止める。晶子の性格を端的に表したエピソードでございます。
 小梅。岩崎の不当な考え(ただし、この時代では当たり前の考えでしょうから、ひとり岩崎だけが責められるものではありませんが)に対し、真っ当な怒りをぶつけます。実に魅力的なキャラでございます。さらに、ここまで描かれていた「ホンワカ」した小梅からは想像もつかない対応でしたが、筋の通った女の子であるということなのでしょう。鏡子を立ち直らせるのに巴を操る辺りに腹黒さ(笑) も垣間見え、ますます魅力的に(笑)
 アンナ先生が「覚悟」を問うた場面では、少女たちは肩肘を張ることもなく軽やかに笑いながらそこを飛び越えて行きました。ここが実に素敵(笑) ここには男が主役を勤める作品の「悲壮感」や「重量感」はございません。では彼女たちの覚悟は軽いのかと言えばそういった印象はございませんでした。
 何と書くのが適切なのか考えてみても今は結論がでません。笑顔で覚悟を踏み越える少女たちの「戦い」を最後まで観ていればきっとその正体が掴めると思いつつ、来週を待ちたいと思います。あっ、やっぱり高原は死んだ方が(笑)