うみものがたり〜あなたがいてくれたコト〜♯003『近づく心』

 OP・EDともにゆっくりとした美しい曲調で戦闘シーン(?)も同様。流れる音楽だけを聴いておりますと、本編との違和感が増してまいります。
 「セドナ」を再び封じるために戦う二人の巫女、派手なアクションシーンといったものに目を奪われてしまえば「違和感」を感じるのも仕方が無いのかもしれませんが、夏音が心を開いて行く、素直な女の子になって行く過程を見せられている、また、マリンが知らない世界を見つけ出して行くという作品でしたら、あの優しい音楽は適切且つ効果的だね、と思いました。
 お話。いきなり「空の巫女」に指名されて納得のいかない夏音の戸惑いや、マリンの手助けをしたくても出来ないウリンのもどかしさを描き、それを乗り越えることで少しずつ心が近づいてことを見せたお話でした。こういう流れを見ていますとスタッフの志向としては「悲劇にならない人魚姫」だったのだろうと推測してしまいます。路線変更(?)はやむを得ない大人の事情なんでしょうねぇ。
 ですが「愛してる」と抱きつき「穢れ」を浄化し、誰も死なないという展開は精一杯の抵抗でしょうか。案外これが効いているように思えます。抱きしめること、包み込む事は大事なんだよと強いメッセージを感じましたし、「愛がなくちゃ!」と正面切って伝える事はこんな時代の今だから必要でだと思います。
 であればこそ、深夜枠でしか放送できないことは作品にとってもスタッフにとっても勿論お金を出してくれるスポンサー様にとっても不幸な事だと思いました。多感な年頃の子供たちや、まだ何ものにも染まっていない子供たちにこそ見ていただきたいアニメかと存じます。