獣の奏者エリン 第27話『ヒカラにおちて』

 「リランが自然に帰ることはない」とエサル先生に告げられたエリンは、葛藤して幻を見るようになってしまう、というお話でした。
 脚本・絵コンテ・演出を布施木一喜さん(演出は斉藤明裕さんとの共同)が担当。布施木さんの特徴(かな?)として今回は蛾が選ばれておりました(笑) 夏になるとあれによく似たスズメ蛾という蛾が家の近所の山に大量発生するんだよなぁ、と関係ないことを考えながら鑑賞させていただきました。
 今までのパターンですとこの蛾はなにかしらの象徴ですから、今回の場合「エリンの不安定な心」なのでしょうか。ですが最後にこの蛾は死んでしまいましたので「エリンの心にまとわりつく不安そのもの」で、蝋燭の火が「エリンの心」なのかもしれません。う〜ん、難しい(笑)
 ま、そういった分析は誰か頭の良い方にお任せするといたしまして、エリンの不安定な心を「絵」で見せる事に腐心したことがありありと分かる素敵なエピソードでございました。夢のなかでしたがジョウンを「お父さん」と呼んだところなどは涙が(笑)
 丁寧にひとつひとつの「想い」を拾い上げ、決して本流とも思えない「絵柄」と「手法」を使える自由さは貴重だなぁと再確認いたしました。