バスカッシュ! 第8話『パス・オブ・トゥルース』

 色々と不穏な噂を各所で読んでしまう。…これがネット時代の良い所でもあり悪いところかもしれません。「事実」はあっても「真実」は知ることが出来ない。まあ、関係者の分だけ「真実」があるのでしょうから第三者がそれを知ることは永遠にないと思いますが(当事者の誰かが語ってもそれだけでは一面しか見えませんし、そもそも当事者が語ることなんてないでしょうし)、そうなりますと「噂」に尾ひれが付いていつのまにかそちらが「真実」のように語られてしまう、と。
 何のことか分からない方のほうが幸せかもしれません。私も読まなければ良かったと後悔しているところでございます。「噂」が「嘘」でも起こった事実に添った形で語られておりますから真実味はありますし、一番の問題はこうしたノイズを気にしてしまい作品に集中できなくなってしまうところが辛うございます。関係各位ももう少し上手に処理して欲しいものでございます。
 本編。アイスマンの「デストロ〜イ!」が不器用な愛情表現(?)だったことが判明したお話。つまり彼は登場以来ずっとダンにパスを送り続けていたと。
 これはよく分かるお話で、「同じ技量でなければ通じないものがある」というスポーツ作品(に限ったことではありませんが)の定番だった訳でございますね。ただここまでアイスマンにスポットが当たることが余りなかったため誤解が生じていた(登場人物だけでなく視聴者である私も)、と。
 このまま彼の性格を「謎」のままというのも辛いでしょうし(ダンにとって頼りになる仲間のひとりなのですから)、今後の展開を考えますと上手い処理だったと思います。平時の彼の穏やかで思慮深い(でも常識や人の心を忖度する能力は欠如しているようですが)性格が、試合中一変してしまう理由には今回意識的に触れておりませんでしたので、それは今後待ちでしょうか。もしかすると「スルー」かもしれませんが。多分スルーでしょうね(笑)
 こうしてメンバーのキャラが次第に固まってゆく過程を描くことは、視聴者が作品に参加する上では必要な部分だと思っております。当作はここまで手堅い作りで好感が持てるというのに、
一体何が問題だったというのか!(笑)
 …いや、笑ってる場合じゃありませんね、ふぅ。