真マジンガー衝撃!Z編 第11話『挟撃!機械獣大作戦!』

 キャラが立ちすぎるとどうなるかを思い知らされたお話でした…って、どういうことかと書きますと「あしゅら男爵が可哀相になってきた」ということでございます。
 本来敵役というものは「やられる」ことがお仕事ですからそこに同情の余地はございません。が、この作品は妙にキャラが立ち過ぎておりまして単純に「敵役」と見る事ができません。
 今回も出てくる機械獣が次から次へとマジンガーにやられ、その度に慟哭するあしゅら男爵に同調してしまっている自分を発見(笑) なんだかなー。これがスタッフの狙いだといたしますと、まんまとその術中に落ちているのでしょうが、いくらなんでもそれは違うか。
 視聴者が「正義の味方」を応援する原因のひとつは「正義側のロボットは最終兵器であり唯一無二の存在」であることを知っている(あるいは「お約束」とも)からで、一方敵役側は「毎週強そうな(正義側のロボットと対等に見えるくらいは強い)を送り込める物量と科学力がある」という前提があるからだと思います。(最大の原因は「非人道的」行為なのかもしれませんが)
 この「正義側」が圧倒的に不利な条件下での戦いと、日本人の「判官贔屓」というDNAに刷り込まれた情報が相まって、本当は圧倒的に強い正義側のロボットを応援している…かもしれませんが、この作品の「あしゅら男爵」は同情できる要素満載ですから困ったものです。
 展開自体は中々ハードなものがありそうなのですが、そこにいる悪役は(今のところ)甲児くんほど単純に憎めない存在であることがこの作品の微妙な部分なのかもしれません。