黒神 The Animation Episode20『覚醒』

愛する人は敵だった」
 といった惹句のアニメが大昔にございましてね。それはともかく、そういうことでした(笑) 説明にもなっておりませんなぁ・・・。
 今回のエピソードを観ていて、これまで感じていた本作に対する「違和感」、あるいは「混乱」の原因が自分なりに判明いたしました。この作品(とりあえず原作の事は無視します)は「黎真」視点=主人公で作っておくべき作品だったのだなぁ、と。
 もちろん「クロ」が主人公の本作が「ダメ!」というわけではございません。ただ今回明かされたこの「クロ」⇔「黎真」⇔「真神」(「真神」=「クロ」)という構造であれば、中央に位置する「黎真」が主人公であった方が見易いのではないかと思うのです。
 仮に「黎真」ルートの場合物語の表情は一変いたします。彼は愛する妹を守り、しかしその妹は最後の敵になってしまう可能性もある。そのジレンマを抱えながら強大な「真神」に対抗するために最強の「契約者」を探さなければならない。そのために同胞や同士との絆を断ち切らなければならない幾多の試練が彼の前に・・・。若しくは「真神」に対抗すべく多くの仲間を集める旅に出る、とかね。
 多分20年くらい前でしたらこちらのルートが選択されていたと思うのですが、最近は物語全体を「見えにくく」して視聴者の興味を繋ぎとめるという作りが主流でございますが、これも最近では「パターンを破るためのパターン」としてしか機能していないように思えてしまいます。
 あくまで個人的な「趣味」のお話ですはございますが、直球のストーリーと「絵」だけでも十分楽しめそうな「素材」でしたから、手を掛けた割りに終着点が無難なところに落ち着きそうな予感がした今回を観ておりまして愚かな妄想をしてしまいました。・・・体調が悪くて思考が否定的になりがちのようです、改めましょう。