バスカッシュ! 第5話『バスカッシュ!』

 この夜はアースダッシュに後世まで語り継がれることになる新しいスポーツ、「バスカッシュ」が誕生した記念すべき夜だった! というお話でした。その最後のカットに至るまでのお話の持って行き方がスムーズかつスピーディでしたし、モブの盛り上がり方に一体感を覚える作りは手錬れのソレでございました。ここまでの安定感は流石の一言です。
 ギャングたちと一戦交える場面で、ダンが初めて「セラ」や「ホッティ」とコンビネーションを駆使して見せて、それを持って「仲間」になった瞬間(まだ都合よく使っているだけなのかもしれませんが、少なくともその力量は認めておりました)としておりました。
 ここまで観てきましてこの作品は「どーでもいい事は結構台詞で済ませ」てはいるのですが、「本当に大事なこと」「感情の発露」は「絵」で見せるように努力しているように思えます。それは映像作品としてとても大切なことですから、これから先もそうであって欲しいものでございます。
ただし、
 本作において一番大事な部分、「バスカッシュ」というスポーツ(?)に今ひとつ魅力が感じられないことが少し残念でございます。一番の問題は「ルール」でしょうか。ゴールにボールを入れたほうが勝ちというルールですと大遠投して入れても問題はないわけで、しかしそれでは「ビジュアル」として面白みがありません。ですから街中でゲームを行いゴールが目視できないような仕掛けになっているのでしょうが、う〜ん。
 この辺でなにかしら納得できるようなものが提示されれば面白さも爆発しそうなのですが、新しいスポーツの「捏造」という行為は難しいですね。ここが本作の「弱点」でもあり、もしかすると「大化け」のポイントかもしれません。化けていただきたいものでございます。