黒神 The Animation Episode14『突破口』

 ようやく配信日当日視聴に追いつきました。
 蔵木(沢村)の腹黒さが本格化しておりましたが、見ていた限りでは微妙な部分もございました。どういうことかと申しますと「純粋な悪」と俺は幸せになりたかっただけなんだという「躊躇いがちな悪」が同居しているような雰囲気が微妙。
 こうした部分に悪役の人間らしさを見出すこともできますし、それが作品に奥深さを与えることになることも否定はいたしません。ですが本作の場合「マスタールートのために」多くのサブや一般人を殺してきましたし、その渦中蔵木は良心を痛めたような描写もございませんでしたので、もう彼には純粋に利己的な悪を演じていただきたいところでございます。
 そうであればこの先に待つ「カタルシス」が大きくなろうというもので、今更彼に「善」の部分が残っていたなどといわれたとしましても同意は難しいところでございます。本作での蔵木の役割を真っ当できることを願わずにはおられません。
 慶太を想って「イクシード」が不発に終わるクロ。これまでと違って慶太の目的意識の方が強く、一方妥当黎真という直接的な目的を失ったクロの動機付けの低下をここだけで表現。この辺は相変わらずお上手でございました。新たな敵(?)も登場して、中盤も加速しておりました。
 そうした中、乱闘シーンの一部がカメラワークだけで処理されていたことに若干の不満と不安。本作の片輪は「良質な作画」でございますから、この部分は頑張っていただきたいものでございます。