蟲師 第14話『籠のなか』

 約一ヶ月ぶりの再開だというのに、今回一番感動したのが「キスケ」と「セツ」の娘が舞い落ちる笹の葉の中で嬉しそうに踊っていたシーンだったというのは間違いかもしれませんが、でもあのシーンを見ていて本当に幸せそうな風景に見えたものですから仕方がありません。
 細部にまで気を使って作画されていることがありありと分かるとても素敵なシーンでございました。他にも竹林の幽玄な雰囲気を切り取ったかのような「絵」「アングル」「色使い」・・・ため息しか出てきませんでした。
 お話も・・・、色々考えさせられる内容でございました。今の幸せに満足していながら、それ以上のものを求めてしまったために全てを失ってしまう「キスケ」、ほんの僅かだけ村に帰りたかっただけなのにそこにはもう自分の居場所がなくなっていた「キスケ」
 その「キスケ」の願いを叶えてあげたいと、自分の「親」である「間借り竹」を切り倒した「セツ」の優しさと哀れさ。結果「キスケ」は何もかも失ってしまうやるせなさ・・・。
 それらを特に盛り上げるでなし、淡々と描写することでこちらの胸に迫ってくる演出の見事さ。それでいながら最期のカットで「救い」を残す・・・降参いたしました(笑)