獣の奏者エリン 第13話『王獣の谷』

 ジョウンと暮らすようになってすっかり心の傷が癒されたかに見えたエリンが、次の瞬間その心の傷がパックリと開いた様子を台詞やナレーションではなく「絵」で見せてくれました。
 アニメとしては当たり前のことではありますが、手間ひまのわりに効果の程は「アニメーター」の腕次第ということを考えますと、避けたくなる監督さんの心情も理解できなくはございません。派手なアクションシーンや凝った構図の絵は評価されても、地味な作画はあまり評価されないご時世ですから尚更でございましょう。
 ですがここを疎かにしたのなら、本作の価値はないも同然と書いておきます。今までのところその兆候は皆無ですので心配無用かと思っておりますが、丁寧な仕事は見ていて気持ちが良いですし、安心できますので是非この長丁場を乗り切って頂きたいものでございます。
 ジョウンを母親に重ねたり、王獣親子を自分とソヨンに重ねたりと「これでもかっ!」の描写が続いておりましたが、エリンもなかなか呪縛から逃れられそうもございませんね、当然か・・・。そしてソヨンの指笛の秘密が少しだけ明らかに! 多分これが今後の本作のメインストーリーの鍵になるのかも?