テイルズ オブ ジ アビス♯23『悲しき決別』

 エルドラントへ向かうために、邪魔なプラネットストームの防御壁を消すお話。ナタリアとラルゴの父娘対決が今回の見せ場でした。
 これでパーティー全員の因縁話が展開したわけです。もちろん主人公であるルーク絡みのエピソードが主軸であることは間違いありませんが、パーティーすべてに配慮したお話作りは長距離ランナーの利点を生かした作り方でしょうし、原作でキャラそれぞれについたファンも満足ではないかと思います。
 ただ、惜しいと感じる部分もございまして、それはそれぞれのエピソードが独立してしまっているように見えてしまうことでございます。これは(私がプレイした数少ない)ゲームなどではよく見受けられる作りで、確かにゲームの場合は「コマ切れ」のエピソードの方が遊びやすいですし、恐らく作る方も楽なのだと思いますが、アニメとして視聴しておりますとその部分がどうも…。
 各エピソードを上手く連動させて次のエピソードに繋ぐという、なんと書きましょうか「渾然一体」? であったのなら、この作品はもっと深みが出たでしょうし、そうした再構成ができないスタッフとも思えないのですが、この辺が人気ゲームを原作に持ってしまった作品の「超えられない壁」なのかもしれません。
 で、重複する部分もありますが、各キャラに満遍なく「スポットライト」を当てているためルークの影が若干薄くなってしっていることも気になって、ね(笑) 番組開始直後のルークは「ウザイ」ほど前に出ておりましたが、「良い子」に改心してからのルークを不憫に感じているのは私だけではないはずです。
 この先はルーク自身が己の運命と対峙しなければならないでしょうからこれまで以上に刮目したいと思います。