タイタニア 第22話『野望のプレリュード』

 イドリスがいかにして権力の虜になったのか、というお話。しかしこのタイミングで消化するには惜しいエピソードだったかもしれません。物語前半で描いていたのならイドリスというキャラに深みが増していて、ひいては作品全体のアクセントになったのでは? と思わずにはおられませんでした。
 「他者を見下す」「敵の力量を自分基準で判断する」「必要以上に他人の目を気にする」とイドリスは決して他者の上に立てないことは、視聴者からしてみますと必然なのですが、作中のイドリスだけが気づいていないところにこのキャラの悲劇性があると思います。
 そこをもう少し丁寧に描いていたのなら色々と楽しめたのかもしれません。が、この辺は「原作付き」の難しいところなのでしょう。脚色しすぎて原型を留めないと原作ファンに非難されるでしょうし、準拠しているばこうして色々書かれるし(笑) これで大金でも手に入れられるのでしたら我慢もするでしょうが、そんな噂も聞きませんし、ね。制作者って大変でございますね。
 作画はこの回も綺麗でした。残り4話もなんとかこのレベルで踏ん張って頂きたいと思います。