機動戦士ガンダムOO 2ndシーズン ♯22『未来のために』

 ここまでのお話を無視して「単体」のエピソードとして今回を拝見いたしますと「面白かった」という感想しかございませんでした。…上手いこと騙されているような気がして、なにか悔しいですが(笑)
 「単体」とは書きましたが、これまでの経緯がまるで無駄だったわけではなくて、やはり合計1年の放送期間があっての今回ですからその積み重ねは必要だった、という事ではございます。…納得いきませんが(笑)
 破壊衝動という訳ではありませんが、子供の頃丁寧に積み上げた積み木を完成と同時に自らの手で破壊した時の爽快感、砂浜で砂の城を作ったあと踏みつけるあの感覚。1年に亘って語られてきた物語が一瞬にして崩壊する様を観るのも、感覚的には似ているような気がいたします。
 ですから本質的な問題はともかく、馴染んだキャラが見せ場を作り退場して行くのを観るだけで、そこには理屈ではなく感覚としての楽しみが存在していたから「面白かった」のだと自分を納得させております(笑) 
 補足・他にも今まで敵対していたキャラが窮地に陥った主人公サイドに寝返ったり、寝返りそうに見えた(ブシドーのことですが)ところなども胸躍る場面でした。…おっさん、こういう話は大好きなんですよ(大笑)
 さて、闘いは最終局面に突入いたしました。恐らく現在宇宙に上がっている者の殆どは「退場」するのでしょう、そう「未来のために」です。しかしその「未来」とは誰の「未来」だったのか最期まで不鮮明のままでございます。
 恐らくは刹那が語っていたように「人類」の未来なのでしょうが、この作品で一番の問題はその人類がまるで顧みられてこなかったことではないのかと考えてしまいました。未来を託す人類を「マリナ姫と子供たち」で代表させているのでしょうが、それなら彼らの視点での描写があまりにも足りなかったように思えてしまいました。
 少し引いて観てみますと、結局「エリート」たちの理屈と理想の空虚な戦争に過ぎなかったとしか書けなかったりいたします。そこに(一方的に殺されるだけの存在である庶民の私としては)感情移入する空きはなかったね、と。
 …と、色々考えたりもしたのですが、上記の通り長い物語の終焉は去来するものもございますから楽しかったりする訳です、悔しいですが(笑) それに個人的にはかつて「トリトン」「ザンボット3」という作品を視聴しておりますから、最後の最後で大逆転!という事もございません。残り3回(?)でなにかおこらないとも限りませんので、最期まで諦めないで(笑) 視聴したいと思います。