キャシャーンSins 第20話『誰がために花は咲く』

 ようやくルナのいる場所にたどり着いたキャシャーンたち。そしてそこには夥しい数の「癒し」を求めるものたちに混ざって、ルナの守り人「死神ドゥーン」の姿もあった。しかし主人に仕えているドゥーンの表情は暗く沈んでいた…というお話。
 アバンで昔のルナの周りに咲いていた花は「赤」で、今のルナの周りに咲いている花の色は「青」というのは何かしらの意味があると思うのですが(この作品で意味のない部分はまず無い、と思っております)、それが意味するものを現時点では読み取れません。とても大事なことだと思いますが、これは最期まで視聴してはじめて理解できる「仕掛け」のような気がいたしますので、今は何も考えないようにしておきます。
 ルナが登場することでこの作品を霧のように覆っていた全ての謎が解決するかと考えていたのですが、スタッフの思惑はそんなに単純ではありませんでした。霧の向こう側にはさらなる「闇」が大口をあけておりました(笑) ルナは何者なのか、キャシャーンが殺したルナと今のルナは同じなのか、「癒し」の本当の意味は、キャシャーンの「不死」は何を意味するのか、などなど疑問は尽きません。
 今回ドゥーンは自分の使命を果たし安らぎを感じながら生涯を終えました。彼はルナの与える永遠に危ういものを感じ、ただ生きるための永遠よりも充足した「死」を選んだのでしょう。久しぶりに登場したブライキング・ボスも「夥しい数多の死を胸に刻みつけておきたかったのさ」と語っておりましたが、死が終りではないという極めて東洋的宗教感が色濃く出てきたエピソードでございました。
 個人的にはリンゴの行く末だけが心配でございます(笑)