テイルズ オブ ジ アビス♯18『アブソーブゲート』

 ゲームですと、この「アブソーブゲート」へは長いダンジョンを潜り抜けて到達するのだろうと推測。ゲームではございませんので割愛するのは当然の事だとは思いますが、多少の「障害」があった方が「中ボス」としての「ヴァン先生」の存在感が増したような気がいたしました。
 もっとも本作の場合そうした「経験値稼ぎ」のパートは最低限のアクションシーンを残して、ほとんど省略されておりますから問題にするほどの事はありません。この「あっさり仕様」こそがアニメ版「アビス」の持ち味なのかもしれません。
 とは言いますが、ヴァン先生の退場は拍子抜けするほど「あっさり」でございました。あんまりあっさりしすぎていて「これはもう一度復活する伏線なのか」と疑ってしまうほどです。どうなのでしょう? 話の流れから推理いたしますと「ローレライ」がラスボスのような気もいたしますが、これも間違っていそうですね(笑) まあそこら辺は触れない方が「吉」でしょう。
 ユリアの預言を覆すために生み出されたルークと生み出した者ヴァンの対決。ルークの剣先が止まったことで彼の心の揺れは感じられましたが、ヴァンの行動には揺るぎらしきものは感じられませんでした。ヴァンには長い間ルークに「師」として慕われてきて一片の「情」もなかったという理解でよろしいのでしょうか? それだとあまりにもルークが憐れでございます。
 そこは軽くスルーするくせにナタリアとの会話で「貴方も大切な幼馴染ですわ」とメインキャラ側の心情フォローを喋らせておりますところをみますと、スタッフの悪役に対する愛情のなさに笑う他ございません。そういえば六神将のヴァンに対する忠誠心の場面もありませんでしたからねぇ…。
 とりあえず外殻大地の崩落という世界の危機はさったようですが、消えたヴァンの剣の行方とローレライの声、アッシュの動きなど、まだまだ物語は続きます。