キャシャーンSins 第18話『生きた時これからの時間』

 当初の目的(ルナと姉の敵討ち)を果たさぬままキャシャーンと同行しているうちに、我知らずキャシャーンに惹かれている自分の深層意識が見せる幻に苦しむリューズのお話でした。
 冒頭部分と各所で挿入された実写映像がどれほど効果を上げていたかというと、正直微妙でございました。まあ好意的に解釈いたしますと、色々スケジュールに問題が生じ出来合いのフィルムで新作一本仕上げたということなのでしょうが、問題はそこではなくてリューズの「女」の部分の描写が「紋切り型」に見えてしまったところ…かな?
 先週の「高橋ナツコ」脚本が男には永遠に分からないであろう女の情念を表現していた(分からない故の恐ろしさが伝わって来たから分かった、という複雑なお話なのですが)のですから、このお話も彼女か吉田玲子さんが担当であれば違った印象だったように思えました。あっ、大和屋暁さんを非難しているのではございませんから、念のため。あくまでこういうテーマなら適役が本作脚本家陣にいるじゃないかと(笑) いうことでございます。
 リューズは過去の呪縛から逃れることに成功し、自分の「滅び」を自覚しながらも明日に向かって歩き出したようです。そういう意味では良いお話でございましたし、ラストカットの女性(リューズ自身なのかリーザだったのかは不明でした。もしかすると「女性」という曖昧な象徴だったのかもしれませんが)の身振りが「(あなたの過去から)さようなら」だったのか「(あなたの未来に)いってらっしゃい」だったのかは現時点では判断ができませんでしたが、最後まで観れば答えはでるものと信じております。