地獄少女三鼎 第十七話『藁の中』

 毎回打ちにくい球を投げてまいります。山童の過去と現在が依頼人の過去と現在の重なって進行したお話でしたし、内容としては研究のために家族を省みない父と子供を喪った母親の哀しみ、そんな人間に哀(あわ)れさを感じながらも離れられない山童の心の動き…、こう書きますとなにかとても素晴らしいお話だったような気がしてまいりますから不思議です(笑)
 多分スタンダードな演出手法を使っていたならこの感想も間違いではなかったと思うのですが、とにかく時空列をバラバラにするという面倒な手法を使った上に最後のカットで「全ては終わったことの記憶」のような描写がございましたので、できればもう少し分かり易い構成で拝見したかったお話でございました。
 で、今回も「お仕置きシーン」はございませんでした。ここ数回のお話を観ておりますとあえて「ギャグパート」を入れる必要もないようですし、いえ、ギャグが入り込む余地がなくなっていると書いた方が正確ですね。知らず知らずのうちに作品全体を「緊迫感」が覆ってきたのかもしれません。