地獄少女三鼎 第十六話『誘惑の罠』

 新機軸?でしょうか、今回はいつもと違い「流した」ところからお話が始まって、以後延々とその結果これから起きる事を「あい」が「ゆずき」に見せるという趣向でございました。それが確定した未来なのかどうかは分かりませんでしたが、人はこんなものと「あい」は言いたかったのか、それとも「ゆずき」や誰かにこの連鎖を止めて欲しいから見せたのか、その真意は物語の最後に提示されると信じたいところでございます。
 こんな風に安易な地獄送りが続いていたら、この世に人間なんてすぐにいなくなってしまいそうですが、人の弱さや愚かさを知ってしまいますと笑ってばかりもいられません。冒頭の携帯を黙々と操作する人の波に、ゆずき同様言い知れぬ恐ろしさを感じてしまうのと同時に、監督の視線の厳しさを感じてしまいました。
 タイトルの「誘惑」は素直に受け取りますと作中の「幸」の行為を指すのでしょうが、私には「人の心の闇」からのソレのような気がしてなりませんでした。今回は「お仕置き」もなく、作品の空気が大変重とうございました。