キャシャーンSins 第15話『死神ドゥーン』

 10話で登場していた「ドゥーン」が再登場。もう満足に歩くことも出来なくなっているにもかかわらず「何か」を求めて彷徨う彼の姿が印象的でございました。彼はルナを守るだけのために存在し、その任務(というより使命でしょうか)を果たせず、生きる目的を見失ってもまだ死ぬこともできません。
 「でも人間なんて皆そんなものだよ」と声を掛けてあげたい。生きている間に目的を見つける事も難しい。運良くそれを見つけても成就させられる人は一握りしかいない。そしてその目的を達成した後にも人生は続いて行く…。ドゥーンの姿はそんな人のうつし絵なのかもしれません。
 この作品はそうした様々な人間の生きる(あるいは死ぬ)姿を「ロボット」の姿を借りて描いているのでしょう。ですから観ていて時々とても辛くなるのは、特定のキャラの姿に入り込んでしまうからかもしれません。今回のドゥーンの場合は…、残念ながらそこまで他人のために生きた事がございませんので同調はできませんでしたが、あそこまでひとりの「人」を想い続けられたのなら、それは他人がどうこう言う問題でもありませんし、彼は幸せなのではないかと思いました。
 魂なんて何で救えるか、誰にも分かりはしませんからね。