舞-HiME 全26話

 もうすぐサービス停止の「branco」で観る最後の番組。五年前の作品ですが古さは全く感じませんでした。監督が小原正和さん、脚本は吉野弘之さんでキャラデに久行宏和さん、クリエイティブプロデューサーが谷口悟朗さんといった私でも知っているスタッフが多数参加していた作品。
 物語は思春期の女の子たちの「好き」という気持ちを、伝奇的物語に乗せて展開するお話でした。結末は番組半ばくらいに「ネタバレ」のような会話があったのである程度予想されたものでしたし、そうでなくとも類型的なお話でしたから、結末自体に意味はございません。
 キャラクターの性格や、「好き」(恋愛としての好きだけではなく広義の好き)という気持ちを力に変えて戦うという部分など、個々の要素それ自体が単独では新鮮味はございませんでしたが、色々なパーツが絡み合った時この作品は大層魅力的でございました。
 正直「おっさん」にとりましてこの作品のテーマである「好きってなあに?」はどうでもいいことでありましたし、揺れる乙女心の描写シーンは直視出来ませんでしたが(笑) それがテーマである以上頑張って視聴いたしましたよ。
 キャラデは好みの絵柄でしたし、動きは見事の一語でございました。惜しむらくは「チャイルド」のデザインに統一性がなかったと申しましょうか、一部のチャイルドが無機物的だったことでございます。そこが残念、とても残念(笑)
 予定調和な結末ではありましたが、「命」の「(舞衣に)涙は似合わない」という台詞を借りれば、過酷な運命を乗り切った女の子(一部年齢層が違いますが)たちが笑顔で結末を迎えるという選択は間違いではなかったと思います。
 「branco」が継続していたら続編の「舞-乙HiME」も観られたのかもと思いますと残念でなりません。レンタルしましょうか…。