屍姫 赫 第12話『夜明け』

 旺里とマキナは長く辛い夜を超えてたら、そこにはもう永遠に「昨日」には戻れない「明日」が待っていた…というお話でした。
 今回は脚本も良かったですが、演出はそれに輪を掛けて素晴らしかったです。マキナの慟哭、お互いを気遣うマキナと景世、狂ったように七星のひとりと闘うマキナへの流れ、旺里がシチューの寸胴を抱えて嗚咽する場面のカットやタイミングは「伝える」ために最適な長さ、画面構成でございました。いい物を観ました。
 赤紗の語る過去の因縁や、七星の目的他、謎はまだなにも語られてはいませんが、多分それはどうでも良い事で、本作の場合「生きる事」の哀しみや「死ぬ事」の難しさを描きたいのではないかと考えております。景世の「坊主は生きている人間にこそ必要」という台詞が重いです。
 さて、何も出来なかった旺里が景世から渡されたものが「縁」だけではなく、「希望」も含まれていたら救われるのですが…。