キャシャーンSins 第8話『希望の賛歌』

 エンドクレジットでは「絵コンテ・山内重保」「作画監督・伊藤達文」となっておりましたが、公式サイトで確認いたしますと「絵コンテ・演出・作画監督・玉川達文」とクレジットされておりました。伊藤=玉川(名義上だけの違いですからこれは問題なしといたしまして)はともかく絵コンテのクレジットが違っているのは問題があるように思えます。特に今回は伊藤さんがひとりで第一原画も担当していた実質「伊藤達文エピソード」でしたので、ここは正確に表記していただきたく思います。
 「狂言回し」キャシャーンの旅は続きます。今回は歌う事が生きる意味だと自覚している「歌姫ジャニス(CV詩乃優花さん)」のエピソードでございました。「生きている証」「生きた事の証」として「死」の直前まで歌う事に拘ったジャニスが身をもってキャシャーンに「進むべき道」を教えます。
 劇中の歌は「宮原永海さん」歌唱らしい(ソースはございません)が、詩乃さんが歌っても(詩乃さんの声質の方が若干熟成しているように聞こえましたし、テーマ的にそちらの声質があっていたように思えたからですが)よろしかったのではと思いました。元タカラジェンヌの実力を聴きたかった(笑)
 今回まで視聴してきまして、この作品は絶望の中でも希望を失わない「人」を描いて行く作品なのだと今更ながらに気がつきました。遅いですね・・・。そういうエピソードをひとつひとつ積み上げながら、最終的に大きな「絵」が完成するという趣向なのでしょう。ですから本質的にキャシャーンは傍観者であり続けるしかございません。どんな絶望にも希望にも直接関わる事のできない悲しみ、それがキャシャーンの本作における役割でしょうし、今回のラストシーンの意味なのでしょう。
 「さまよえるオランダ人」のように呪いをかけられたかのようにさまよい続けるキャシャーンですが、こうした他者との触れ合いを通してキャシャーンが「目的」を見つけ出した時(当然見つけるでしょうが)、キャシャーンの旅は終わる事ができるのかもしれません。