ブレンパワード 第20話『ガバナーの野望』第21話『幻視錯綜』

難民孤児を引き受けたノヴィス・ノアでは子供たちが畑で作物を作る作業で大忙し。そんな中カントはナッキィが連れて来たブレンの一体に乗り込みノヴィス・ノアから発進。帰還してきた勇たちと合流するが、カントの「知能指数の高さ」に反応過敏になって「浮かれた」カントブレンは暴走、比瑪ブレンと共にバイタル・ネットに乗って何処かへ飛ばされてしまった。
 その頃オルファンでは進駐してきたアメリカ軍のグランチャー乗りが幻のグレンの出現に悩まされていた。それはオルファンが自分を利用する者にそういった幻覚を見させて恭順を促すためだとバロンは語ったが真偽不明(笑) そこへリクレイマーの指導者「ガバナー」が到着。えっ、「ウィンストン・ゲイブリッジ」さんですか!これはビックリ。胡散臭さ爆発でございます。
 比瑪とカントは着陸した場所で「オルファンの通った後には植物が芽吹く」という現象を見つけ、比瑪はそこから「オルファンはいいやつ」と考え、話し合う事ができるかもしれないという結論を強引に導き出す。そして二人を探しに来た勇とナッキィとでアメリカ軍のグランチャーを撃退する。
 オルファンのガバナーはアメリカ軍を使ってノヴィス・ノアに対して攻撃を加える準備を開始、さらにオルファンからも「アーミー・グランチャー」が出撃したが、比瑪たちはそれを阻止しようと試みた。圧倒的な数の差で窮地に陥った比瑪たちだったが、その時オルファンから光が伸び、ネリーの幻影が彼らを救った。(第20話「だいたいあってる」あらすじ)

危機を救われた比瑪と勇はオルファンと話し合うために進むことにする。比瑪の感受性に驚く勇は彼女ならオルファンと会話できるのではと考えるようになる。そこへジョナサン・クインシィ・シラーの三人が迎撃してくる。
ゲイブリッジはノヴィス・ノアに向かって核攻撃を仕掛ける。しかしノヴィス・ノアのオーガニック・シールドによってミサイルはオルファン内陸部で爆発した。ゲイブリッジはその様子を世界に発信して、ノヴィス・ノアに非難が向かうように仕向け、それが成功するとさらに多数のミサイルを発射させた。
しかしそれも全てオルファン内陸部に向かってしまう。着弾点に避難してきた人々がいることを確認した勇とカント・ナッキィは「チャクラトライアングル」で無効化しようとするが、数が多すぎてカバーできない。その時ジョナサンたちがもうひとつのトライアングルを作りミサイル群を全て無効化するのだった。
 そのエネルギーの中で比瑪は謎の女の子と出会い、勇たちは心の中の傷と向かいあっていた。やがてチャクラトライアングルの膨張で勇とクインシィは再びどこかへ飛ばされ、比瑪は地上へ落ちていった。(第21話「だいたいあってる」あらすじ)

 リクレイマーの親分が、この前までノヴィス・ノアの司令官をやっていたゲイブリッジだったという設定には驚きましたが、別に裏切ったというわけでもないようで、単にこちらの「思い込み」という錯覚を利用するという富野監督の常套手段にすぎないわけですね。
 で、この2話でゲイブリッジが語る内容が相変わらず堅苦しくて頭にすんなり納まってくれません。

「文明を妄信する人類の目を開かせる為にはこんな方法しか無かったんです!私がこんな役目を喜んでやっているとでも思いますか!」「「僕は変わっていませんよ。昔からこの旧態依然とした社会に変革を齎そうと考えていました!その為だったら大量虐殺の汚名を着せられても受けるつもりです!」「人類粛正の汚名は全て僕が被るつもりです。しかし、ここまでのオルファンの動きは人類絶滅の方向に進んでいるんです」「しかしオルファンがもたらす結果が、地球の生命体全てを根絶やしにするとも思えないのです」

 若い頃でしたら一晩中でも意味するところを考えたのでしょうが、明日も早いので考える事は後日にでも回しておくことにいたします。ですが、チャクラの中で敵対していた勇やジョナサンたちの意識が共有されたシーンは「泣いた」とだけは正直に書いておくことにいたします。富野さんの作品で泣かされたのは何十年ぶりのことでしょう。