テレパシー少女 蘭 第22話『蘭と白い少女』

 タイトルに「〜」の副題がついていないエピソードはアニメオリジナルの脚本だと某掲示板の方に教えていただきました。なるほど、ここ数回はオリジナルだったわけですね。
 原作付きが悪いという話ではございませんが、小説として書かれた作品をアニメ用に脚色するという作業はこの作品に限らず大変難しい作業なのだということを再認識いたしました。それは多くの制約との勝負だからなのかもしれません。元々映像化を意識して書かれたものではないお話を「絵」で見せるという行為自体が無謀であるともいえますし、尺の関係で削らなければならない細部もあるでしょう。他にも色々あると思いますが、そうした足したり引いたりした部分を経由して私たちの目に触れることになる訳です。
 それらの数多いフィルターを通した後でも原作の「味」を残す事が出来る作品がどれほどあるのかは、過去の経験から知る事ができます。よほどの才能、よほどの覚悟をもったごく僅かな傑出した才能の持ち主だけがそれを成し遂げる事が出来るという事を。だからといって本作のスタッフが無能だというのではございません。ここ数回のオリジナルなエピソードを拝見していますと、むしろ優秀だという思いの方が強いぐらいです。
 原作の「味」を残しながら独自の解釈でお話を作り上げるということは、決して無能な人たちにできるものではございません。原作の縛りから開放された途端、これだけ素敵なエピソードを作り上げているスタッフの頑張りを見せられますと、原作付きに関しても「前後編縛り」などという無粋なまねをしないで、好きな風に作らせてあげたら良かったのにと思わずにはいられませんでした。
 今回は「雪女」をモチーフに、心優しい女の子に助けられた子狐がその恩返しをするお話。蘭と翠のエピソードとの関わり方が「出すぎず、引きすぎず」絶妙でございました。物語の流れを切らない演出や、安定した作画もあって食い入る様に画面を見つめておりました(笑) 今週の「重箱の隅」としては狐のデザインでしょうか。う〜ん、微妙でしたね(笑)