キャシャーンSins 第7話『高い塔の女』

 小山茉美さんがCVということは、この「リズベル」と先週出ていた「レダ」は同一キャラか、若しくは何かしら関係があるのかと思うのですが今回は一切の説明はございませんでした。「いつもの事」と言ってしまえばそれまでですが、この「何も語らず」といったスタッフの姿勢は大変好ましく感じられます。これがすべての作品で通用する手法だとは思っていませんが、本作のようにストーリーそのものを楽しむのではなく「キャシャーン」が置かれた状況を「静かに」楽しむような作品においては有効かと思う次第でございます。
 リズベルが固執した「塔を作り鐘を鳴らす」という目的自体にはあまり意味がなく、それを「なす」行為自体の方に意味があるという事だったのでしょうか。「滅びに向かっている世界」でも、諦めたり流されてしまったものには世界の美しさを感じることも出来ず、生きている意味すらもない。では生きる意味とは? という事を「ない頭」で考えますとズキズキと痛んでまいりました(笑)
 ラストでリズベルは「そこにはない」美しい鐘が見えていたでしょうし、当然リンゴにも高らかに鳴り響く美しい鐘の音が聞こえていたことでしょう。世界を信じている者だけが世界の「美しいもの」を認識することが出来るということなのかもしれませんね。
 今回はキャシャーンに絡みつくリズベルの指の動きが「エロティック」でございました。今まであまり意識しなかったので、そうした描写を見逃したことが悔やまれます。最初から見返すことの出来る環境であれば全話見返してみたいものでございます。