とある魔術の禁書目録 ♯04『完全記憶能力』

 状況や設定、心の叫びを長々とセリフで説明するという手法は映像作品としてどうなのかという問題は永遠の課題です。
 原作の小説を読んだ事がありませんので、このシークエンスがどこまで原作に準拠しているのか判断がつきかねますが、恐らくは原作のセリフをそのまま脚本に起こしたと思われます。あれを小説で読んだ場合は多分違和感なく進める程度の文章量なのですが、アニメの場合画面が止まってしまい間が空きすぎる印象を否めませんでした。
 だからこそそこを整理してみせるのが制作者の腕というものでしょうが、下手に端折ったりして原作ファンの非難を浴びるのが怖かったのかもしれませんね。この作品の制作者の苦労がわかろうというものでございます。
 さて、その長々としたセリフを聞いていて疑問を抱いた部分がございました。以下はその部分なのですが、当方の視聴環境ですと「録画」という作業ができませんので正確な検証ではなく、あくまでも記憶頼りの疑問ですから間違いも(多分絶対)あると思いますが、その場合はご容赦願います。
 神裂火織の説明によればあくまでインデックスを保護することが目的らしいのですが、であれば何故彼女を傷つける必要があったのかということです。確か2話でステイルはインデックスの顔を踏みつけていましたし、火織は致命傷まで負わせている。火織の場合はそれらしい説明がありましたが、ステイルの行為に説明はありませんでした。この描写があるのに「保護」とはどうしたものでしょう。
 そもそも記憶がなくなり彼らを信用しなかったとしても、アプローチの仕方ひとつでインデックスを説得することは(彼女の性格描写からして)可能だと思うのですが違うのかなぁ。描かれていない事情というのがあるのでしたら話は別なんでしょうけれど、それならそれで「描かない」事に対する疑問が湧いてまいります。
 ・・・う〜ん、ここまで観てきて感じることは色々なところでストーリーに破綻している部分があるように見えてしまっているということでございました。次回あたりにきちんと辻褄合わせてくれるのでしたらよいのですが。でもセリフだけで進行するのは勘弁して下さいね。