地獄少女三鼎 第五話『うつせみ』

 5回目にして納得できる復讐が・・・って、納得してはいけませんね。理不尽だったり不条理だったりしたお話はこれまでと変わってはいないと思うのですが、今までは「依頼者」の被害者意識の方が強く感じられたのに対して、今回の「新山美和」先生の場合彼女自身にはなんの落ち度も感じられなかったことで、この「恨み」に納得してしまった原因かもしれません。
 「片瀬利々香」が新山美和に好意を寄せていて、自分にだけ優しくして欲しいために祖母を利用した、というような描写があればいつも通りの「地獄少女」だったのですが、今回はそれがなかったため「正しい復讐」のように見えてしまいましたし、「お笑い」担当と申しましょうか、本作における一服の清涼剤のお仕置きパートがなかったことも影響があったと思いました。
 でも「納得」してしまった一番大きな理由は、美和の不幸が「身につまされた」ことでしょうか。いるんですよ、こういう事を言う顧客さまが。確かにあなたはお客様なんですが、私はあなたの奴隷じゃありませんと(ry
 ・・・。今回の事で分かった事がございます。私にとって共感できたお話は今回が初めてでしたが、受け手によって共感できるお話が違うという当たり前のことでございます。「ありえねー」と笑っていたお話でも「・・・そうだ、その通りだ」と感じていた方がいると思いますと、人の業の深さを恐ろしく感じずにはいられませんでした。