鉄のラインバレル ♯03『蒼の戦慄』

 ここまで観てきまして気が付いた事は「加藤機関」と「JUDA」の目的が明確に語られてはいないということでした。「想像せよ!」とか言われましても、ねぇ。
 お話としては3回かけて浩一の思い上がりも頂点に達したようで、新キャラ森本玲二にきついお灸をすえられ、城崎絵美に「最低です!」と罵られて終わりましたので、次回は凹むという展開でしょうか。これ以上浩一の増長する描写を延々と描いても仕方がないというスタッフの判断でしょうし、流れとしては良いと思います。
 そうは書きましたが、浩一がこのまま「嫌な奴」として主役を張るアニメでも良いのではないかという思いも少しございます。なにもこういったアニメの主役が全員「いい子」である必要は無いと思いますし、折角世にも稀な「変な」キャラを見つけたのですからそこの「個性」を大事にしてくれても構わない・・・、と考える人は多くないでしょうね。実際このまま最後までこのキャラのままで突っ走られたらイライラするとは思いますが(笑)
 浩一を取り巻く環境の駄目押しとして、被害にあった人々から「お前さえいなかったら!」と石でも投げられる描写がございますと最高なんですが、そこら辺がすっぽり抜け落ちていることが、ここまでの不満といえば不満でしょうか。所々に女の子の可愛い感情の揺れが描かれているところから考えますと、そこまで陰鬱たる方向に進んでいる訳ではないのかもしれませんが、平均して何事もなく終わって3年もすると忘れ去られる作品になるよりも、「酷いアニメだった」でもいいから記憶に残る作品を目指していただきたいものでございます。