機動戦士ガンダム 第08MS小隊全11話(終)

 なるべく予備知識を持たないように心がけておりますので終了時まで検索は控えておりましたが、終了したので「Wikipsdia」の当該ページを読んでみました。なるほど、神田監督の遺作にして途中で降板という不運もあった作品だったのですね。こういう時思いますのは、果たして当初の目論見通りの結末を迎えられたのかということでございます。もし神田監督がご存命であったのなら、本作の結末はまた違ったものになっていたのかもしれませんし、ソレを観る機会がなかったということが残念でなりません。
 本作は「ガンダム」の世界で「恋愛モノ」を描きたかったのかもしれませんが、そうだとすると消化不良かもしれませんし、「コンバット!」のようなものを目指したのだとしたのなら、こちらはある程度成功しているように見えました。特に8話の『軍務と理想』などは本シリーズのベストエピソードでございまして、最後までこの路線で押し通した方が良かったのにと思わずにはいられませんでした。
 恋愛、特に敵味方に分かれた男女のそれを描く場合、距離や属する体制を乗り越えるための説得力がなにより重要だと思うのですが、本作ではシローの「熱血パワー」にそれを求めておりました。どのようなものに依って立とうとも構いませんが、本作の場合二人の関係を描いたエピソードが少なすぎて唐突感が否めませんでした。
 他にも当初重要な位置にいたキャラがいつのまにか消えていたことなどと合わせて考えますと、結局上記の「神田監督降板」という影響があったとしか考えられず、残念なことに散漫な心象が拭えませんでした。ですが主戦場から遠く離れた場所での「地を這うガンダム」ものとしては楽しく視聴できましたので、その点においては満足でございました。
 尚「ガンダム正史」としては数々の矛盾点があるそうなのですが、私のガンダム知識は平均以下しかございませんので、その点での評価はスルーの方向で・・・。