ブレンパワード 第10話『プレートの誘惑』第11話『姉と弟』

 ジョナサンの襲撃を受けた事にショックを受けたアノーア館長は、精神状態が不安定になってしまった。次なる寄港地・佐世保に向かうノヴィス・ノアに新たなプレート発見の報が入り、回収することに。
 アノーア館長、勇に母親として失格だったと指摘されさらに不安定になるが、周囲の大人の慰めで小康状態。名誉挽回のためプレートを回収してみせると船から発進。しかし通常のものとはどこか違ったそのプレートに遭遇した時、ひねくれてしまった(とアノーアは思っている)ジョナサンへの贖罪から愛情の正当性(通常これを「言い訳」と申します)を口にしながらプレートの発する光の中へ消えてしまうのであった。(第10話「だいたいあってる」あらすじ)

 消えてしまったアノーアの代わりに艦内医師の「アイリーン・キャリアー」が館長代理に就任。ノヴィス・ノアは国際会議へ向かう。
 B・プレートやオーガニック・ウエーブ、その代替としてのノヴィス・ノアの意味などに興味を持った伊佐未研作は単身そこへ乗り込む。国際会議では研作と桑原博士の難しい議論が展開するが、カント・ケストナー少年が別の視点でオルファンの意味などを開示。正直難しすぎて全然理解できませんでした。
 アンチボディの影響を受けてか抗体化が進む(ジョナサン談)クインシー・イッサーが、父親の勝手な行動(国際会議に出席したこと)に怒って出撃、勇と姉弟喧嘩をする。勇との懐かしく美しい想い出を語るが、勇が「覚えていない」と馬鹿正直に言い放ち火に油を注ぐ結果に。交渉決裂である。(第11話「だいたいあってる」あらすじ)

 大人には大人の都合があって、子供にも言いたいことはある。本当はお互いに胸を開いて本音を話し合えればいいのでしょうが、なかなかそう上手くはいきません。富野監督はこの辺りの描写が本当に上手いわけですが、考えてみますと誰の身にも起こっていることでしかありません。皆忘れているだけなんですよね?
 本作に登場するキャラの大多数は何かしら心に傷を抱えて(富野作品でしたらいつもの事か・・・)、その殆どが「話せば分かる」レベルだと思うのですがこれが難しい訳でございます。むしろ怒りに任せてでも不満をぶつける勇などはマシなのかもしれません。
 そうした心理描写とブレンのアクションシーンのバランス配分が見事でございました。