キャシャーンSins 第2話『世界は断末の声に満ちて』

 今回は懐かしさがこみ上げる脚本でございました(笑) 脚本は小林靖子さんでしたが、この方の経歴を拝見しますと特撮から脚本を始めた方らしいのですが、昭和時代の「竜の子」作品を観ていたのでしょうか? 出来る事なら聞いてみたいものですが「観ていた」と思いたいほど、あの頃の(私の中のイメージとしての)「竜の子」テイスト全開でございました。
 私の中のイメージというのは「救いのない」というところでございます。まあ昭和のアニメは「竜の子」に限らず救いのないお話が散見できまして、子供の心にはそうしたお話の方が印象に残ってしまうものですが、他の制作会社の作品よりも「竜の子」のそれは本当に酷いお話が多く、それ故私は長い事「竜の子」さんのアニメを敬遠していたものでございました。
 まあ「救いのない」と書きましたが、今にして思えばそれぞれに意味のあるお話があったのですが、「ガキ」には取っ付き難いお話が多くて閉口していたわけです。歳を取ってそこに込められた想いを理解できるようになりますと、そうした脚本のアニメを観たくなるのですが、残念ながら中々出会えない時代になってしまったようでございます。
 で、今回はそうした脚本でございました。誰にも救いのない悪夢。そして心の中に潜む「エゴ」と「生」への執着がもたらす「悲劇」
 この作品がどこへ行こうとしているのかはまだ全く分かりませんが、「なにか」を描こうとしていることだけは分かったような気がします。その「志(こころざし)」が成し遂げられるかどうか、今後が楽しみでございます。
 しかしこの作品を今の「タツノコ」が制作できないという事実が重とうございます。隔世の感であります。