狂乱家族日記 26話『再び、閻禍伝説!』(終)

安心するがいい、この凶華様は全知全能だぞ!!
 「ドタバタ・ハートフル・コメディ」として、収まるところに収まった実に由緒正しい最終回だったと思います。もっともこのラストエピソードを5話もかける必要があったのかは疑問でしたが。これをコンパクトに前後編になとめていたなら、もうひとつかふたつ違うエピソードを観れたかもしれないと思いますと、すこしばかり残念だったと記しておきます。
 さて、番組当初はそのギャグが滑っているとしか思えなかったり(これはこちらの感性の問題なのかもしれませんが)、唐突にシリアスな描写があったことに違和感を持ったりもしたのですが、これはキャラクター固有の性質が十分描かれる以前だったためにギャグの面白さが伝わりにくかったことと、登場人物が多すぎて状況説明に(スタッフにも視聴者である私にも)時間が必要だった事などに起因していたのだと思います。ですから4話の「旅行も呪いも計画的に」あたりでペースを掴んでからは俄然面白くなりました。
 各キャラの持つ暗部は小出しで、しかもあまり明確に描かれたわけではありませんでしたが、日頃「狂乱」しているそれぞれも底知れない「闇」を抱え込んでいると匂わせただけでも効果はあったように思いました。ただ、ここも中途半端な印象は拭えず、やるなら徹底的にした方が「メリハリ」が効いたような気がいたしました。もっともそれを乱崎家全員やった場合、この尺ではどう考えても足りるとは思えません。
 全てのエピソードが面白かったわけではございませんでしたが、「笑い」はシリアスなものより人を選ぶと思っておりますから、それは仕方のないことなのでしょう。個人的にはゲストキャラに乱崎家の面々が絡むお話や乱崎家だけのお話が好みなのですが、案外少なかったので不満といえば不満でしょうか。やはり尺が(笑)
 キャラの個性が出始めて乱崎家の周りの人物も増え、これからどんな組み合わせでもお話を作ることが可能になるところで時間切れですから残念至極でございます。こういう作品は「原作」のストックが切れたところからが面白くなると思っておりますし、折角個性的なキャラを作り上げたのですからこれっきりではいかにも「惜しい」としか書きようがございません。
 楽しませていただいたスタッフ一同に感謝しつつ、門外漢といたしましては凶華様の早々の再登板を願わずにはおられません(笑)

狂乱家族日記 ねんどろいど 乱崎凶華

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ああっ、無意識にポチッてしまいそうで怖いなぁ・・・(笑)