マクロスFRONTIER 20話『ダイアモンド・クレパス』

「ミシェル〜!!!」
 オズマの時はあれだけ思わせぶりな展開にもかかわらず死亡回避したので、ミシェルも同様かと思っておりましたらこちらはあっさりと退場させられてしまいました。この扱いの違いはなんでしょう(笑) オズマの場合ランカとの関わりがまだ残っているから「セーフ」で、ミシェルは物語の中での役割がクランとだけだったから、ということなのかもしれません。
 レオンはグレースと一蓮托生な仲かと思っておりましたら、結局彼もグレースに利用されただけで使い捨てされる運命のようでございます。ここまで引っ張った割には「小物」ということなのでしょう。残り話数から逆算すると、ここら辺りが彼の限界と監督からも捨てられる運命なのかもしれません(笑)
 物語が終劇近くになって、これまで提示していた伏線の回収や謎の解明などに時間を取られはじめますと、作品の持つ「パワー」の低下が著しくなってしまうもので、本作にあっても「カタルシス」というものが一時的に停滞しているように見受けられますが、多分これは最後の「大爆発」に向けての「タメ」だと思います。・・・そうですよね? 監督(笑)
 そんな中で今回はシェリルが立ち上がる場面がクライマックスでした。人々の絶望と自身の絶望。そのなかで歌わずにいられない彼女の「歌」が、人々の心に希望を灯してそれが次第に広がって行くシーンは、もしかするとこの作品の本当のクライマックスだったのかもしれません。
 戦争を歌の力で止めるというのは理想としても突拍子もない発想で、だからこそかつては支持された設定だったのですが、今回の「絶望に希望を与える」という考え方は四半世紀を超えてたどり着いた監督の想いかもしれない、と思ってみたりしました(笑) シェリルはこの時代のララ・アンデルセンなのかもしれません。