狂乱家族日記 18話『正しい看病の仕方』

 凰火が風邪をひいたところから始まるドタバタコメディでございました。ゲスト及びサブ・キャラも登場しないエピソードでしたが、こういうノリは観ていて安心できるうえに楽しゅうございます。一名を除いては看病には全く当てにならない乱崎家の面々の右往左往ぶりが描かれて、このまま30分押し通すのかと思いきや、怪しい仮面からマントラゴンとオカルトに走り最後は「ミクロの決死圏」で締め。大盛りの内容でございます。
 メインストリームのお話あっての番外編なのかもしれませんが乱崎家の各キャラは個性的に描かれておりますから、本来こうしたお話の方が活躍できそうに思えてしかたありません。ただこの路線を活かすには乱崎家を取り巻く環境の描写が必要不可欠なのですが、異常な世界は描かれていても「市井の暮らし」というものに注意を払っている描写が少なすぎるのでございます。
 「異常な世界」の中での「異常な人々の活躍」では落差が足りず、結果笑いの力が削られてしまっているように思えます。物語の基本設定がそうだから仕方が無いのかもしれませんが、このキャラを使って「日常の中に出現した非日常」という物語であったのなら、さぞかし見事な弾けっぷりを見られるのではないかと夢想してしまいました。
 そういった意味で、乱崎家唯一の常識人「優歌」の存在は、作品の大事なスパイスですからもっと活躍させていただきたいものでございます(笑)