コードギアス反逆のルルーシュR2 TURN 19『裏切り』

 作品として矛盾が無く、説得力のある進行というものは見ていて安心できます。例えそれがひどい話であったとしても、です。数回前からの展開通り、遂に「ゼロ」は全てを失ってしまいました。この辺のお話の進め方は見事だと思いました。シュナイゼルの頭のよさや、その性格から周到な準備のもとの「ゼロ」離反計画は、この作品を見続けてきた人でしたらシュナイゼルのキャラ設定を理解しているでしょうから「さもありなん」と言うところでしょう。
 そしてまた、ルルーシュというキャラであればカレンを庇うために嘘をつくことも、ルルーシュの命を救うために自分の命を投げ捨てた「ボロ雑巾のように捨ててやる!」とまで憎んだはずのロロに対して最後に優しい嘘をついたことも、視聴者がキャラクターに抱いているイメージを崩す事の無い整合性が保たれておりました。当たり前のことなのでしょうが、作品の隅々まで破綻させないということは大変だと思います。
 ひとつだけ注文があるとすれば、ゼロとその仲間の間に芽生えた疑念から離反に至る過程をじっくり見てみたかったことでございます。まあ、地味になるとは思うのですが今以上に作品の味が増したのではないかと思いますと、それも見たかったなぁと考えてしまいました。
今週のルルーシュくん
 先週「何の遠慮もいらなくなったルルーシュくんの大活躍」が見られるのではと書きましたが、今週の前半は「力石を喪った矢吹丈」よろしく虚脱状態でした。活躍は来週に持ち越しでございました。が、後方での頭脳労働がお似合いのルルーシュくんが「蜃気楼」一体だけでどこまでやれるのか、両陣営からお尋ね者になってしまい隠れる場所も無いこの状態から起死回生の妙手はあるのか、と心配と期待が交錯しております。完全に制作者の術中に嵌っておりますね(笑)
臨時 今週のスザクくん
 あー、色々「キテル」みたいでした。とうとうルルーシュくんの高笑いが伝染したかのようなラストシーンでしたが、ギアスのせいとはいえ、自らの手で本来守ろうとした日本人を大量に殺したのですから当然といえば当然ですね。
 考えてみますとスザクくんは「守ろう」とした人を誰一人守りきれていない訳でございまして、役回りとはいえ貧乏くじを引かされっぱなしでございます。最終回までになにか良いことがあるとよろしいのですが、ダメかもしれません(笑)