巌窟王 第九幕『闇色の夢を見た』

 お話としては

  • ヴィルフォールとビクトリアに過去の過ちを思い起こさせる
  • ヴァランティーヌが毒殺されかける

といったところでしたが、他には伯爵の正体の片鱗をフランツに見られたことですとか、カヴァルカンティがやけに格好つけたポーズを取っている(笑) ですとか、ヴァランティーヌとマクシミリアンが良い雰囲気になった・・・。いえ、ストーリーを書いてもそれほど意味はございません。目の前で繰り広げられている「舞台」を純粋に楽しんでおります。
 しかしこの品質で毎週TVで放送されていた事が未だに信じられません。子供の頃は毎週決まった時間に放送される事は「当たり前」だと思っていたものですが、「アニメの作り方」ですとか「アニメの制作環境」などを知る事の出来る年齢になったとき、それが決して「当たり前」ではないことに気が付き、それでも一定の品質の作品を保とうと努力している方々の努力を知り驚嘆したものでした。
 昔「巨神ゴーグ」という作品が諸事情で全話制作されてから放送ということがございまして、それを聞いたとき「そのスケジュールだからこそ、あのクオリティなのか」と思ったものでしたが、現在の環境ではそんな話は夢みたいなものですからこの作品のクオリティを見るたびに不思議な感覚を覚えたりいたします。
 この作品だけでなく最近のTVアニメは作画の面で見ますと、昔のアニメを観ていた者としては信じられないくらいの品質にしばしば驚かされる作品に出会いますが、制作環境が格段に改善されたなどというお話は聞いたこともございませんし、むしろ酷くなる一方らしいのですが、現場の方々のご苦労を思いますと「そんなに頑張らなくとも」と声を掛けたい気持ちになってしまします。
 こうした作品を家に居ながらにして、しかもタダで視聴できる幸せを噛み締めたいと思います。