巌窟王『あなたは婚約者を愛してますか』

 男だけで「愛」について語り合い、議論の末「決闘」という展開でございましたが、今時の女性が観ていたら鼻で笑われそう(笑) 本作の原作が書かれたのは18世紀ですから、当時の倫理観ですとか貞操観は今の時代とは違うでしょうし、しかし「愛」は不変であって欲しいし・・・と本編とは関係の無い事を考えて視聴しました。この辺を否定してしまいますと、「愛ゆえの憎悪」という本作の肝心な部分を半分ぐらい否定することになってしまいますから、気にしないで視聴するのが吉なのかもしれません。
 さて、今回アルベールとマクシミリアンを決闘するよう仕向けた伯爵の真意はどこらへんにあったのでしょうか。アルベールを仲間内から浮き上がらせる為だったのか、それとも「愛」について深く思索させるためだったのでしょうか。伯爵にとってはアルベールは憎むべき男の子供には違いないのですが、同時に愛する女性の子供でもあるわけで、この辺の複雑な心境を思いますと徒や疎かに単純な解釈はできかねます。
 この内容でこの作画レベルのアニメを観ることの出来る幸せは、これから貴重になるのかもしれません。私はGONZOを応援いたします!・・・DVDもう少し安くしてくれたらもっと応援できるのですけれど(笑)