RD 潜脳調査室『光のない朝』

 考えてみますと「心の内側」を描く作品が派手になる訳もございませんね。相変わらず静かで落ち着いたエピソードで、それまで「見えていた(感じていた?)」ものが視覚を得たことによって喪われるとしたら、人はどう折り合いを付けるかというのが今回のお話でした。
 「目が見えない人」がナノマシンで「見えるようになる」というのは可能性としては高いように思えます(当方は門外漢ですので技術的裏付けはありませんが)が、その時その人がどのように「見える」かは当人にしか分からないことなのでしょう。まして本編の「映美」のように他の感覚器官が発達した方にとっては尚更なのかもしれません。
 この手のお話には明確な回答などは(多分)ありませんので、今回も煙に巻かれた感じでございました(笑) ただ何度も書きますが、こうした落ち着いた作品は大好きですから私は良いのですが、若い人には退屈かもしれません。時には派手なアクション満載の回もはさんだ方が「メリハリ」がついて良いかとも思います。でも次回予告を観ましたら、波留とミナモがのんびり日光浴なんかしてました(笑) このスタッフはこの路線で最後まで行くつもりみたいです。・・・最後までついて行きます!
 お話が地味なのでうっかりしますと見逃してしまいそうになりますが、作画の質は高目安定でございます。美味しそうなパフェですとか、ミナモのピンクのパンチラ 映美がミナモの顔に触れる指の動き、教室内での三人娘の何気ない仕草などは手を抜こうと思えば真っ先に抜かれるだろう場面なのですが、こうしたところにも目配りされているところが私がこの作品に好感を持ち続けている部分なのかもしれません。