コードギアス反逆のルルーシュR2『神虎 輝く 刻』

 天子を奪ってその先をどうするかという疑問は次回以降ということになりました。それどころかエースパイロットを捕虜にされたり、見通しの甘さから窮地には追い込まれるとルルーシュの当初の目論見からは大きく後退して・・・と、今週も見所満載でその疑問はどうでもよい気になってしまいました。さらにアシュフォード学園にルルーシュがっ!と本当にこのスタッフはお上手でございます。
 このような面白いアニメですが視聴率は最悪らしいです。・・・これは制作スタッフのせいではなくTV局の戦略ミスのような気がしてなりません。この作品の前段として「コードギアス反逆のルルーシュ」(以下「無印」と表記)が存在しておりますが、これは深夜枠(地方においては全国放送が決まったあと急遽連続放送などで対応)で放送されておりました。当然「好き」な人間しか観てはいなかったことでございましょう。
 日曜日のこの時間にいきなり「R2」を観た方にとっては敷居が高かったことは想像に難くありません。一見さんお断りのアニメの典型でございます。「無印」のナナリーの悲劇を見ていませんと「R2」においてのスザクとルルーシュの関係ですとか先週のニーナの件は少し丁寧な説明が必要なのかもしれません。ですが、仮に「R2」でそうした描写を挿入した場合全てを観てきた視聴者にはその描写は不必要ですし、作品のリズムにも乱れが出てしまい面白さの何割かが損なわれてしまいそうです。難しいところでございます。
 時間帯についてあれこれ考えてみましても、では何時の放送なら良いのか私にはわかりません。そもそもこの作品のファンの大多数は「録画視聴」が基本のような気がいたしますし、そうした視聴スタイルの人間にしてみますとそもそも「視聴率」などどうでも良いことなのです(TV局的にはお困りでしょうが)。
 少し前に新聞で読んだのですが、NHK朝の連続ドラマ「ちりとてちん」のDVDが歴代新記録の売り上げだったそうです。このドラマは大変面白く日頃はこの時間のドラマは観た事はない私も「録画」して観たものでございますが、放送中は歴代最低の視聴率と書かれたもので「何故?」と思ったものでした。ですが「売れた」という記事を読んで、もう視聴率にこだわる時代は終わったと思うに至りました。
 ルルーシュも「無印」のDVDの売り上げは上々だったと聞いておりますが、固定ファンは付いているのですから「R2」もその辺りは心配しなくてもよろしいでしょう。むしろ変なテコ入れをして作品を無茶苦茶にしない方が吉だと思うのですが、あまりの低空飛行ですとTV局などが痺れを切らして大暴れしそうでその辺りが心配です。
今週のルルーシュくん
 無邪気な天子の扱いに困ったり、捕らえられたカレンに優しい言葉をかけたりと、「人間らしさ」が前面に出てしまい窮地に陥ることが多くなっているようですが、シンクーごときに考えを読まれるようではルルーシュくんらしくありません。次週は「悪魔のように切れる」頭脳でこの絶体絶命な状況を打破し、あの聞く度にゾクゾクする「高笑い」を聞かせていただきたいものでございます。