電脳コイル『黒いオートマトン』

メガネの開発の歴史によると、昔は様々な投影技術が研究されていたそうです。
若い頃ならなんとも思わなかったであろう描写に、最近は結構打ちのめされたりすることが多いようです。そんな私には今回のエピソードはシンドイお話でした。
どのへんがそうだったかと申しますと、黒幕(?)の猫目に裏切られた上に学校で孤立するよう仕向けられ、心の支えである「お兄ちゃん」が実はもう死んでいたり、「2.0」に追い詰められて配下のモジョもついに最後の1匹になってしまったり、安全地帯であるはずの神社に逃げ込んだはずなのに「2.0」から逃げられなかったりと、イサコの心の内を思いますとこんな酷いエピソードは辛いのであります。
当初は強い女の子として描かれていたイサコも、本当は目的のために気持ちを張り詰めていただけの12歳の子供にすぎないことは無駄に歳を喰ってきただけのダメ大人の私にも想像がついていましたが、実際イサコがよるべき場所を次々と失ってしまうところを描かれますとキツイものがあります。不安ですとか絶望といった悲しい感情が痛いほど伝わってきた今回ほど、スタッフの優秀さを呪ったことはございません。
もちろんこれは「作り物」でしかありませんが、そうであっても大人の私にとって子供たちの悲しい感情というものを見せられることほど辛いことはありません。そして「作り物」でもそうした感情を抱かせてくれる作品に出会えたことは幸せなことなのかもしれません。
イサコ絶体絶命で以下次週です。磯監督、ヒドイです・・・。