漫画賞について

ちゆ12歳」さんの4月13日の記事で講談社漫画賞についての考察を読みました。語り口は相変わらず皮肉たっぷりで笑わせていただきました。
ついで、と言う訳で小学館漫画賞の方は検索して調べてみました。まあちゆさんの書かれた通り系列会社の漫画に賞は与えられておりました。当然と言えば当然なことで、「その年最も優れた作品」を発表した漫画作家と言ってもこういう趣味の問題に明確な解答は存在しませんし、「優れた作品」は一本きりでもありません。自社が抱える漫画家さんの作品の方が優れていると言われれば「そうですね」としか答えられません。
これが単純に「その年最も売れた作品」と言うのであれば簡単に、しかも余人が口を挿む余地はないのでしょうが、この基準を用いると数年に亘って同じ漫画家が賞を独占するという事態が予想されますので、これは採用できないでしょう。それに「売れた」と「優れた」は必ずしも一致しないでしょうし。難しいところですね。
そもそも何故出版社が「漫画賞」を作り、漫画家に与えるのかがよくわかりません。小説の方ですと(過去は知りませんが)現在は明らかに販促目的のように思えます。受賞作家及び受賞作は出版社はもとよりTV・新聞というマスメディアがこぞって報道してくれますから、その効果は絶大です。ところが漫画賞の方は新聞広告や雑誌などでは見かけても、余程の愛好家でもない限り注目されているとは思えないのに毎年賞を決めています。
講談社漫画賞の方は昭和52年からですが、前身の「講談社児童まんが賞」を起点にすれば昭和35年からですから小学館に遅れること5年ですからどちらも古い賞に違いはありません。ちなみに第1回の受賞者は「寺田ヒロオ」さんと「永田竹丸」さんのお二人でした。同年の小学館漫画賞の方は「該当者なし」だそうですからなにか笑えます。
歴代の受賞者や受賞作品を眺めていますと、両社の受賞作が被ることは(ちゆさんが指摘している通り)ないのですが、だからといって一概に我田引水とばかりは言えません。「ああ、なるほど。この作品が受賞作ですか」と一応納得できる範疇かとも思います。個人的にはこの年はアレだろうと思うこともあるのですが、私の嗜好が他人と違うことは自覚しておりますので声高に主張はいたしません。
で、元に戻って「何故漫画賞を漫画家に与えるのか?」という疑問なのですが、眠くなってまいりましたのでそのお話はまた明日ということで。おやすみなさい。