やさいのようせい『水あそび』『ぎんいろの湖』

「水・・・」は水の表現が豊かな回。芽キャベツの精神年齢の設定は人間の5歳未満くらいなのか見るものなんでも遊ぶ道具になるのですが、その楽しさが画面を通して伝わってくるというのは実は大変なことだと思います。総合監督の松宏彰以下各話演出をなさっている方に知っているお名前はないのですが、安定した仕事を拝見しますとそれなりの手練の方々なのでしょう。そしてこの回の最大の見せ場は「髪を下ろしたレタス」の可愛さなのですが、過不足無くそれを見せた演出に感心せずにはいられませんでした。
「ぎんいろ・・・」はシンクの海に出航するお話。人が小さくなって今まで見ていた日常が一変というのは映画でも漫画でもアニメでも古くから使われてきた手法ですが、普通そこから「日常の恐怖」のような展開になったりするわけですがこの作品では(一部を除いて)そうした描写はありません。水の抜けた(ジャガイモとにんじんが抜いたのですが)シンクの底でスケートよろしく滑る様子が楽しいお話でした。