シルクロード少年ユート『青海の水は深からず遠からず』『よみがえる春麗郷』

観た!終わった!!面白かった!!!という感想だけで十分なのでしょうが、歳を取ると理屈っぽくなっていけませんね。
先週の放送が高校野球のため順延された時はがっかりしたものですが、不思議なものでこうして最終回を2話連続放送で迎えますと、この方が物語にとっては良かったようです。むしろラスト3話はそれまでのお話とは違い「シルクロード少年ユート」という作品の総決算というべき連続したお話でしたので、前回を含めて3話連続だともっと宜しかったのではと思わされました。
前回のラストで時空の彼方に飛ばされたユートの行き着いた先は24世紀、ちょうどラモーンやリン・ランが時間旅行に旅立つその日でした。そこでユーとはその時代に飛ばされた意味を探して探偵業を営むわけで、これで物語の後半あちらこちらでユートらしき人物が探偵をしていた説明がつきました。
さて、そこでユートはその時代(24世紀)に存在しているだろう「雪達磨大師像」を探すわけですが、この辺は説明がやや不足気味でしょうか。他にもタイムパトロール104と119に「ラモーンたちは雪達磨大師像がないとこの時代に帰りにくいと思うんだ」という台詞がありましたが、事前にそれらしい説明はありませんでした。なんとなく理解もできるのですが、SFを読んでいないような子どもだと少し辛いと思います。
この作品の始まりは2008年の青海湖畔でしたが、実は未確認領域の太古に雷に打たれて飛び散った春麗の精神が、居合わせたユートの持っていた木像に憑依したことから始まっていたようです。春麗は時々「奇跡」を起こしながらそのまま像の中で眠り、2008年再びユートに会って目覚めますがその時は記憶を失っていたわけですが、そもそも春麗が何者であるかと言う説明も結局ありませんでした。春麗郷が崑崙や桃源郷の類であるとは想像できるのですが、だとすると「仙人」なのかもしれません。・・・そうですね、空飛ぶ(時空も飛んでました)ハンチィを操り何千年も木像の中で生き続けているのですから只の人間ではあるはずもないですね。
ですからこの物語は「その時(落雷に打たれてハンチィから落馬)命を落としそうになった春麗(その原因はユートたち?)を助けるためにユートたちが右往左往した物語」と思って良いのでしょうかしら?タイムマシンものはあちらこちらで矛盾を抱え込んでしまうのが宿命みたいなものですが、この作品はそこはあまり触れないようにして楽しく鑑賞するのが正解だと思います。実際最期まで余韻を楽しめる仕上がりでしたし。
さて、最期の疑問。ラストシーンで24世紀のハメット探偵社にいたユートは誰なのでしょう。二人目のユート(パラレル)というのが素直な考え方のような気もしますが、「春麗郷」が21世紀に復活(春麗が実体化できたからだと思います)していますから、タイムマシンなしでも時間移動できた(仙人の住む場所には時間の概念がない場合が多いので、そこに出入りできるだろうユートが24世紀に現れても問題はないかと)と考えるのもアリという気がします。でもそうすると「未来にも僕がいて・・・」というユートの台詞と整合性が無くなります。ああっ!そんな事はどうでもいいです。
楽しかった!
それで十分です。来週からはこの作品と会えない方が今は辛い気分でございます。