響け!ユーフォニアム2 最終話『はるさきエピローグ』

三年生が卒業したお話。
作中でも言及されておりましたが、これが高校の部活動の難しいところでもあり楽しいことでもございます。
毎年一からのスタートは虚しさを感じる指導者もおられるでしょうけど、見方を変えれば築き上げてきた伝統は決して一からではないはずでございます。
それは部員にとっても同じで、久美子たちもこの一年練習してきた演奏や経験した出来事を経て確実に成長しているのですから。
最終回。
もちろん彼女たちの高校生活はまだ続きますし、金賞を取るといった目標はまだ道半ばなのですから続編が待たれるところではございます。
とは言えそれを描いてみせることが本作の目的なのかと問えば、必ずしもそうではないのかもしれないという答えが導き出されてしまうのでございます。
本作の舞台は吹奏楽部でございますが、そこで描かれていたものは短い青春時代の様々な感情であり、であれば吹奏楽部である必然性はそれ程なく、金賞を取るという目標は実はどうでもいい事でございましょう。
見せたかったのは青春の1ページ、ただそれだけでございますから。
まだ描くことは多そうな作品でございますが、それは別の作品でも描けそうですし、この物語はきれいに幕引きできたのでこれでおしまい。
潔い終幕二拍手を贈らせていただきます。
京アニの作画はさらに洗練されてまいりましたが、次第にアニメとしての作画から離れて、映像の方へ向かっているように見えました。
…何を書いているのかと言えば物語を見せるための作画であり、アニメとしての面白さを見せる作画ではない、う〜ん上手く伝えられませんねぇ(笑)
動かすことが目的ではなく物語を語るために必要な作画の質の向上に努めている、…これかな?(笑)
ですから作画だけではなくレイアウトや背景美術。そして演出のすべてを含めた映像としての完成度の高さを目指しているようでして、その意味で京アニは単なるアニメ制作会社からの脱皮を目指しているのかもしれません。
シャフトも同様な雰囲気がございまして、アニメ制作もその方向性の分岐点に差し掛かっているのかもしれないと、本作最終回を視聴しながら考えるのでした。