バッテリー 第11話『二人の春』

春が来てプレーボール、という最終回。
肝心の試合は描かれることなく終わってしまいましたが、やはりこの作品において試合そのものにはあまり意味が無いということなのでしょうね。
大人の思惑の外、子どもたちだけで試合をする。子どもたち自身には様々な葛藤や悩みがあったけれど、最終的には「好き」な野球をするためだけに集結。
彼らがこの先純粋に野球を楽しむことが出来るのかどうかは分かりませんが、この試合だけは誰かの球を撃ちたい、誰かを抑えたい、それだけが動機の試合ということでしょうね。
そう考えますと高校野球ではなく中学時代が舞台というのも合点がいきまして、「幼年期の終わり」としてはこれがギリギリの年齢でございますから。
当初巧が物語の中心にいたと思いますが、途中から他校も含めて多くの野球部員の心理描写がなされまして、それが焦点がボヤケていたように感じたのですが、…まあ私だけかもしれませんね(笑)
掴みどころのない少年たちを「こうだ」と決めつける事なくそのままに描かれておりまして、この辺が望月監督の真骨頂なのですが、今回は私の波長と微妙にズレていたようで共感度は低めだったのが残念、…いやこれは完全にこちら側の問題なのですが。
でも不思議な喪失感がある作品でございました。それで十分でございます。