終物語 第六話『そだちロスト 其の参』

育の身の上に何が起きたのか判明。
おっさんの年齢になりますと、阿良々木くんがそこまでして育に関わろうとしている気持ちが分からなくなっております。
確かに育を「救う」ことの出来た過去はありましたが、そう出来なかったからといって彼に責任があったようには見えませんでしたので、阿良々木くんが育の過去を背負い込む必然性はなかったような。
ただこれは「スレて」しまった大人の感想でございまして、青年期の阿良々木くんにとって、いえ潔癖な青年期を送っているすべての青少年にとって「見て見ぬふり」は許せない行為なのでしょう。
だからこそ他人の領域にも踏み込んでまで育を救うことを選んだのでございますね。
それは育を救うと同時に自分自身を救うことでございまして、狭義において阿良々木くんが救ったのは自分自身と解釈することも可能なのかもしれません。
ホント青春はややこしく難儀でございますねぇ(笑)
でもその難題に真剣に向き合うからこそ「大人」になれるのかもしれませんで、この作品は青春期の青少年を描いておりますがそういった経験を経て大人になった彼等とも会いたいものだと考えております。
手紙。
感謝の言葉か罵倒なのか、あるいは恋慕の気持ちが認められていたのか読者(視聴者)に丸投げされておりましたが、此処で重要なのはその手紙を読んで阿良々木くんが笑ったという点でございましょう。
笑える未来がそこにある。これ以上の結末は必要ございませんからね。
かなりハードな内容のエピソードでございましたが、後味の良い物語でございました。
そして扇。
誰かの思念が具現化した怪異なのかなぁ。本シリーズ中に正体が明らかになってくれると嬉しいのですが。